あの店員さんが凄い 東寺の古いきもの

この東寺のリサイクルきものやさんは、1日に二千枚売ることも、あったという。

 

どんなきものも、少し焼いて、臭いを嗅ぐと、「大体、判る。」と言っていた。

木綿は香ばしい炭っぽい。

化繊はツーンと鼻に来る、不快。

でも、ポリかアクリルかの判別は、聞かなかった。

綿と麻も、焼いても同じかも。

絹、毛は、ちょっとオナラみたいに、臭い。

 

おじさんが、木綿の、古いきものを焼いている。

「どうみても木綿の古手を、何で焼くん?」

聞いてみた。

「古い結城と木綿は似てる。焼かんとわからん。」と言った。

 

「あれは?」

「化繊にきまっとる。お日さんでピカピカ

光っとるやろ。」

「化繊はな、親指と人差し指で、こうやって、擦り合わしてみ、なんかこう粘り付く。」

 

八重山上布って、どれ?」

「それや、八重山の色しとるがな。」

 

「古いきものは、身丈がわからないからなあ!」

「あー、それはな、きものの衿を持って

自分の頭のてっぺんに並べて、裾が丁度

地面に付くぐらいだったら、着られる。」

「なーる。」

 

このおじさんから、明治の布と称するひっばりを買った。

ほんにかわいい、けど、もうちょっと、時代はこっちかな?と思う。

でも、かわいい。

 

これは肩裏が、紅梅という生地。

「紅梅やん!」というと、

「知っとるやんけ!」

でも、このあと何かと、親切にしてくれた。

 

当時私は、明治もの、大正もの、戦前、戦後

の区別が、全く判らなかった。

「どうしたら、判る?」

「そういう本があるで。探してみ。」

確かに、古本屋にあった。

大体の時代の風潮のようなものがある。

 

リサイクル物は 因縁を持ったものもある、

そういうのは、概して強い臭いがあることがある。

勿論、ないものもある。

 

怖い物もある。

でも、何故か東寺の弘法市で買うと、受けない。

不思議だった。

あー、この日は護摩焚きをしている。

お大師さんの日だから(毎月21日)、毎回、護摩焚きをしたから、きものの因縁を受けなかったのかもしれない。