食器棚に付いてきた何か

去年、食器棚を買い換えた。
私は、炊飯器と湯沸し器を使っていないので、今風の食器棚が、合わない。
ネットで徹底的に探して、買ったのが、北海道家具だった。
搬入の時、配送のお兄さんが、「奥さん、これは、このドアから、はいりません。」
「えー?」しょっぱなに、ダメ出しは、これ、不吉。結局、上下に別れることがわかって、搬入出来た。
リサイクルものだったけれど、未使用だった。
何時ものように、各棚や引き出しに塩を置く。
なんか、スッキリとしない。
全体を、塩水でふいても、この前に立つと、暗い気持ちになる。
氏神さんに行ってもだめ。
もう、捨てるしかないか?
高かったんだよね、これ。
そうか、もし、この食器棚にどなたかが付いておられるなら 話しを、してみようと思った。
「もしもし、どなたか存じあげませんけど、どうやら、何かおありのようです。もし、なにか、納得出来ないことがおありとしても、わたしは、毎日、こうして荒神さんを祀って、お詣りしています。どうか、それを見ていてください。」
と言った。
これは、私だけの見解かもしれませんがこうした見えない方々に限って、案外、生前は、この世的。
この世的とは、無神論とか、死んだら、それでしまい。とか、あの世も信じないとか。
気持ちはこの世的なのに、その存在は
幽的だったり、霊的だったりする。
そして、亡くなってみると、この世の人に何かを伝えようとすれば、生前は考えもしなかった、スピリチュアルな人に頼らざるをえない。
という、この二律背反。
でもとにかく、数日、ご覧になっておられて、いなくなった。お陰で、買い直さずに済んだ。