病院との縁

今まで、何度も病院に入院して来た。

でも、そろそろ病院とは縁切りかなと

思う事が何度かあった。

何時もの腹痛ぐらいでは、救急搬送された

りはしない。強烈なぎっくり腰が同時に来

たり、何日も、強い腹痛が続いたりした

ら、もうお手上げになる。

毎回、本当にお世話になった。

病人はお茶の一杯が入れられない。

病院では、毎朝、熱いお茶を入れて貰える。

ましてや、強い腹痛のあとは点滴をして

下さるのでご飯も食べないでいられる。

ところが、ここ何回か、病院で驚くような

事があった。

腹痛が少しずつ治まってきて、うとうとし

た。病人にはこの うとうとというのが

一番の薬になる。

こんなあとに痛みが消えていることはよくあること。

そんな時通りがかった先生が 「ちょっと、

何寝てるの?寝るんだったら家で寝てよ!

もう、帰って!」といって、私の点滴を

鋏でバスッと切った。

エッ?でもその点滴、私 お金払うよね。

それやったら、ドギーバックにして、

包んで!と思ったけど、先生に従った。

まあ、そこから、タクシー乗り場までの

一歩ずつの 遠かったこと。

別の病院では、私の隣に、トラックにひか

れた多重骨折の少年が来た。私も入院して

から、3時間ばかり何もされなかった。

その子は「痛い」というけれど、もうちょっ

と待ってと言われている。

私は、何かの粉末を吸い込んで、アレルギ

ーをおこしていた。

呼吸が苦しい。でも!この子の比じゃない。

自分で、必死に手と趾を揉んだ。

治まってきたので、退院を申し出た。

休日だったのか、すぐ了承して貰えた。

その頃、あれっ?もう病院とは縁が切れ

てきてるのかなと思った。

それ以来、病院に伺うことは無くなった。