お酒と元夫の手術

元夫は、お酒を沢山飲んでいた。

と思う。

別れていたので、詳しくは判らない。

でも、給料の全てを飲んでいたようだった。

 

20年もそうしたなら、どんな病気にでもな

れる。

一番なったらあかんガンが胆管ガンという

最初の手術で、13時間。

胆管、肝臓、胃、十二指腸を切ったという。

他にも、あったかも。

彼は天涯孤独なので、何かの同意書にサイ

ンが必要だった。

で、病院に駆けつけた。

 

手術中、病室で祈った。

その時、観たのは、元夫のオーラを包むもっ

と大きなオーラだった。

多分、担当医のオーラだと思う。

数日後に病室に入って来られた時に、とん

でもない大きさのオーラだった。

私は、めったにオーラなどは、見えない。

多分、手術中などは、オーラが強くなった

ので、私にでも見えたのかも知れない。

 

ここまでしてくれる!

そう思うと、涙が止まらなかった。

手術中の13時間。医師たちは御飯も食べぬ

という。

 

医師の基本的人権は、どうなっとんねん。

いわば、彼の胆管ガンは、自業自得。

なのに担当医とはいえ、ここまでの

超重労働を科せられる。

 

その後、その先生の手をそっと観た。

爪が小さくなっていた。

本来、オーラの大きい方は、身体も、丈夫

だという。

なのに、爪が、小さいということは、

過労だ。

 

そうか、今からでも、彼に感謝のお祈り

を、捧げよう。

彼が、元の丈夫さを取り戻されて、

お元気になられますように。

そして、ありがとうございました。

 

元夫の入院中に、同室の方々と話す。

「どこがお悪いの?」

「お酒ですか?」

ここで、ノーと言われた事はない。

 

お酒は強い。引きが。

普通に生きて、勝てるものではない。

こういう時、お仏壇に、コップ一杯のお酒

を、供えて、

「心ゆくまで、お飲みください。」という。

タバコも、止められない。

タバコも、お仏壇のお線香立てに、火を

着けて供える。

ご先祖さんのどなたかが、生前、十分飲め

なかった場合、この世の者に、飲ませると

いう。

ご先祖さんが、充足なさると、この世の者

は 飲まなくても済む。

 

我が家も父を始め、祖父も母も、お酒を

よく飲んだ。

でも、私がお仏壇に

供えるようになってからは、飲まなくな

った。